私は幼い頃から車に乗るのが大好きです。車が好きというと、景色を見るのが好きだからだと思われがちですが、私は景色など全くといっていいほど興味がありませんでした。だから今自分がどこにいるかなども考えたことがありません。そして当然道など覚えたこともありません。私が車を好きな理由は、車の中で音楽を聴くのが好きだからです。あの狭い空間では何もやることがありません。そして自分は運転するわけでもないので聴覚がとても敏感になってきます。だから普段聞くような音楽でも、車の中ではその音楽がとてもスムーズに耳に入ってきます。家の中でゆっくりと音楽だけを聴くということが意外とできないのでとても新鮮なのです。そしてそんな私は大人になってもやはり車好きでした。かといって運転をするわけではありません。免許はとりましたが全くのペーパードライバーとなってしまいました。私はあくまで助手席でのほほんと音楽を聴いているのが好きなのです。彼氏を作る時も車の運転が好きな人が条件でした。
そしてフットワークが軽く私をどこにでも連れていってくれる人です。そしてそんな理想の彼氏が私を本当に色々なところへ連れていってくれました。その彼と結婚して6年目、子供も生まれ生活に少しゆとりがでてきた頃でした。子供も大きくなってきたのでそろそろ車を買い替えようかという話がでてきました。どんな車にしようか色々車の雑誌をみていると、でてきましたキャンピングカー。ある意味私の夢でもあったキャンピングカーにもう釘づけです。そして主人に相談してみることにしました。すると主人はとても冷静にキャンピングカーを買う際の心構えというものがあると言いました。まず、家同様トイレやキッチンがついているということは家にいる時のように掃除が必要だということ。そして何より燃費が悪く、大変コストのかかる車であること。実際キャンピングカーで出かけても、ホテルに泊まることが多く本当に利用価値があるのかなど、色々言われてしまいました。話を聞いているとなるほどと納得してしまいました。キッチンがあれば何かやらなければならない気分になり、家にいる時と変わらない状態になり、音楽など聞くどころではありません。安易な気持ちになっていたことに気が付きました。
でも、やっぱり憧れてしまいます。もしたくさんお金があったらお手伝いさんを一人つけてキャンピングカーで旅がしたいというのが、次の私の夢になりました。